2012年4月27日 10時30分
1957年にB.J.AlderとT.E.Wainwrightが、分子動力学を用いて剛体球が固体-液体相転移を起こす事を発見した。その後、様々な研究が行われて来たが、この固体-液体相転移に関して量子性に着目した系統だった研究はあまり行われていなかった。そこで我々は拡散モンテカルロ法を用いて、ソフトコア粒子系の固体-液体相転移を調べた。当初、量子性がかなり強く(零点振動が大きく)なると固体相が安定化し、量子性によって助けられた固体相が実現するのではないかと予想していた。様々な粒子間相互作用について調べてみると、予想に反して温度ゼロの場合では、強い量子性は固体相を不安定化してしまう事が分かった。さらに発表では、このソフトコア粒子系におけるスケーリング則についても議論をおこなう。